2015-12-29から1日間の記事一覧

ふしきせぼの:第11レース テセミヲオガエ(1999.11)

ぼんじゅーるむっしゅー。 コンドルくんとエビナさんのまゆげがかっこよかった。 福島にワイドを買いに行こうかなぁとなんとなく思う秋の昼下がり。そんなことを聞かされるとは思いもせずに、いつものようにルションにいにあいさつ。ルションにいはなぜか無…

ふしきせぼの:第10レース 空を見上げろ(1999.10)

「凱旋門」という字を教えてくれと、パスから手紙がきた。 その前に「敦えてくれ」ってなんだ。ようやく春がやってくる。 そしてシゴトは忙しい。 忙しいうちが華だというのはこのシゴトの常だから、気合いを入れて頑張らなければと思う。 3歳になった息子…

ふしきせぼの:第9レース とくべつ(1999.9)

そう。キセキはまたゴウシュウにいってしまった。 弟AWもフランスにいってしまった。 けっこう暇だ。 なんだか来年から忙しくなるらしいので、ことしのうちにバカンスをしてみたいと思ったのだけど。 札幌競馬場に展示されにいきたいなぁ。 なんだか、昼休み…

ふしきせぼの:第8レース イソイデ(1999.4)

春は来るのだろうか。かなり怪しい。 「もう何も信じない〜」と言いそうになる。 信じたくなくなっても、そうやっては、生きて行けないのだろうと思う。 なんでこういうことを日々続けているのだろうかと思いながらも、草をはむ。珍しいヤツから手紙が来た。…

ふしきせぼの:第7レース それでも雪だけが降ってる(1999.2)

バーリンちゃんがバーリンちゃんがバーリンちゃんが〜、やっぱりぼくのアタマの上を通り過ぎていったらしい。 やっぱりバーリンちゃんは遠くに行ってしまったのかなぁ。なんだかなぁ。「兄貴、久しぶり(^^)」 「どうしてたぁ〜〜」 「ホッカイドウで美味しい…

ふしきせぼの:第6レース はてしない(1998.12)

「君はその馬生の中で、「刹那」という言葉の響きについて、思いを巡らせたことはあるか。」なにかの一節。 「ある」と、僕はしばらく考えた後噛み締めるように首を縦に振ってみた。もうすぐこのゴウシュウの地を去る、と聞く。真夏のサンタクロースに逢える…

ふしきせぼの:第5レース ナイタラダメヨ(1998.11)

「アニ...」 ぼくを呼ぶ声がした。ルションにい(筆者注:現在のアケボノのりんじんりんじんりんじんりんじんりんじぃーん...をっと、ウマじゃないか)以外に呼ばれるのは久々だ。 しかも「アニ」と呼ぶ。 アグネス?あいつは「兄ちゃん」と言う。ボクをアニ…

ふしきせぼの:第4レース ここが何処なのか、僕がだれなのか。(1998.8)

楽しかった函館の日々は過ぎた。なんだか意味もなくはしゃいでいたような気がした。 アケボノも妙に楽しそうだったし、それにつられて僕も妙にハイだったような気がする。 僕の最初の息子が函館3歳ステークスに出てくるとはとても嬉しいことだった。 負けて…

ふしきせぼの:第3レース 逢えるんだね(1998.7)

「ステイゴールドは来るんだよっ!」と言ってたら、ホントにきた。 だんだんばけんをかうのが楽しみになってきた。 だから来週もハコダテに行くんだろうな、と思っているのだ。 キセキも今頃ははなたかだかだろう。 息子がかったんだもんな。ぼくから名前を…

ふしきせぼの:第2レース 馬券師らしい(1998.7)

僕はシャトル種牡馬というやつになって、近々海外出張に出ることになったらしい。そう場長さんに聞いたので、最後にもういちど、函館で娘の走りを応援しに行くことにした。テイエムキセキコという娘だ。名前がちょっと安直な感じもするのだけど、まぁいい。…

ふしきせぼの:第1レース 海を渡ってみるかぁねぇ(1998.6)

ぼくはヒシアケボノ。最近ひとまわりおとなになったねェと言われる。嬉しいような嬉しくないようなだけど、ぼくは今年からタネツケというしごとをするようになって、来年にはおとうさんになる、らしい。実感はない。海を渡ってタネツケにきたおうまもいたと…

ふしきせぼの:主な登場人物とおうま

※たぶん実在の人馬とそんなにかんけいないんじゃないかと思います(2015筆者注)当時のテキストの単純コピーなので、馬の年齢は今の計算方法よりも1つ増しで。 キセキ(9さい) おとうさん。冷静でクレバー、感情はウチに秘めるが、秘めすぎて妙なところで爆…

てくすと復刻:ふしきせぼの

フジキセキが鬼籍に入ったというのが報じられた。 昔、ちょっとしたテキストを起こしていた記憶が蘇った。密やかに復刻しておいてみる。尤も、既にそのテキストは手許にないので、Webの、とある保管庫から引っ張ってきてみた、のである。以下、各章ごとに。 …